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KiP・入居者インタビュー Vol.017 B-FACE LAB合同会社 荒川 靖夫さん
旧居留地という立地を活かし、流行を日々リサーチしています
今回のKiP入居者インタビューはB-FACE LAB合同会社の荒川 靖夫さんです。荒川さんは古き良きものと新しいものの本質を紡ぎ、衣服だけに限らず、ライフスタイルを豊かにする、をコンセプトにブランド「ito:e(イトエ)」を展開しています。荒川さんのKiPの活用についてお聞きしました。
荒川 靖夫(あらかわ・やすお)。神戸・ポートアイランドのアパレル企業で生地の開発から企画・生産・販売マーケティングなどを経験し、その後、カタログ通販業界、ゴルフウェアのブランド責任者などを経て起業。受注してから生産する予約販売型方式でなるべく無駄な在庫をつくらないSDGsブランドito:e(イトエ)を展開。これまでの経験を元にコンサルティングも行っている。
ーーーKiPに入居されたきっかけは何ですか?
22歳から55歳までずっと会社に通勤して仕事をしていましたが、なかなか自宅で仕事となるとオン・オフが切り替わりにくくて。でも普通に神戸市内に事務所を借りてしまうと経費がかかってしまうのでいろいろリサーチしていたところ、知り合い経由でKiPにたどり着きました。
ーーーKiPはどのように活用されていますか?
三田市の自宅からバスで片道1時間かけて通っているんですが、オン・オフがはっきりするのがいいですね。バスの中で今日行う業務を考えて、決めたことを遂行する。毎日その繰り返しです。
センター街を歩いてKiPに通勤しています。毎日ウィンドウディスプレイや通勤・通学中の方の服装のコーディネートなどファッションを見ることも大事なことなので、職場が旧居留地にあるのはうれしいですね。
すれ違う人たちの服装や色合いの変化を見たり、「こんなアイテムはありそうでないかも」と考えたりしています。最近ではスマホを小さなバッグにかけて歩いている方が多いんですが、ハイブランドはどこのブランドのものを使っているんだろうと確認したり、通勤中もマーケットに触れて、自社製品を考えるアイデアになるのがいいですね。
KiPでは机をひとつ借りるタイプのワーキングデスクの会員です。同じワーキングデスクの会員で後ろに座っている今津さんとよくおしゃべりしています。
自社のito:e(イトエ)ブランドを展開するためにクラウドファンディングサービスのMakuakeを活用したりしているのですが、そのプロジェクトページの叩き台を見てもらったりとかして、「こんなトップ画面はインパクトあるかどうかどう思います?」みたいな話にフランクに意見していただけるので助かっています。
Week Day Biz Style この1枚でキマる大人Tシャツ【日本製】|Makuake(マクアケ)
このような写真のデザインも知り合いに相談しながらイチからつくっているのですが、KiPで開催されているAIナイトに何度か参加させてもらってAdobe Illustratorなどのビジュアルで伝える勉強をしています。顔は写っていませんが、実は自分自身でモデルを担当して自作自演ときもあります。
ーーーKiPのお気に入りの場所はありますか?
生地づくりやデザイン、撮影などプロジェクトごとに複数の外部の仲間に手伝ってもらっているので、打合せでミーティングスペースをよく使わせてもらっています。
ミーティングルームはなによりきれいですし、モニターと直結してパソコンの画面を映せますし、洋服や生地素材を机に広げることも多いので重宝しています。
ーーーほかにKiPのオススメポイントはありますか?
やっぱり同じアパレル業界の人にはリサーチもしやすいという意味で旧居留地にあるというのはオススメのポイントですね。誰もがよく知るアパレルのショップも近くにたくさんあります。
さらにKiPのスタッフの方々はすごく親切。これまで何をするにも対価という発想で利益を生み出す売上をどう作るか、ということばかり考えていましたが、コーディネーターの横山さんの話などをうかがっていると、そこに至るまでの人・物・事の巻き込み方のプロセスが大事だなと気づかされました。また、補助金の活用方法を教えていただけるのもうれしいです。
コンシェルジュの中にはアパレル出身の方がいらっしゃるので、その人にも時々相談したりしています。
ーーー直近で将来達成していきたいことはありますか?
ゴルフウェア業界にも携わっていたのですが、アイテムでいうとゴルフボールのホルダー(ケース)の開発途中です。
実は靴下をつくる機械でつくっているのですが、こういうアイテムを販売チャネルを変えて販売していくことで無在庫販売のビジネスチャンスにつながらないかと考えています。
無在庫販売はSDGsや最適価格のための解決策の一つなので、世間一般的には認識が薄いですが、実現に向けていろいろなアプローチをし続けていきたいと考えています。
取材・文/狩野哲也 撮影/横山宗助