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KiP・入居者インタビュー Vol.009 認定NPO法人まなびと 中山 迅一さん
社会起業家として活躍する先輩たちの話を聞く機会を増やしていきたい
今回のKiP入居者インタビューは「認定NPO法人まなびと」の中山迅一さんです。「日本語教室 だんらん」「神戸 こども探険隊」「ちいき食堂」など、さまざまな居場所や学びの場をつくり、多様な人との接点を増やしている中山さんに、場を持ちながらもKiPを活用する背景についてお聞きしました。
中山 迅一(なかやま・ときかず)。京都大学文学部へ進学後、7年の在籍期間を経て、佛教大学教育学部へ編入。佛教大学在籍中に神戸大学を拠点とするNGO、PEPUPの活動に参加し、社会的活動の意義を学び、自ら活動していくことを決意。より良い社会のためのより良い活動、より良い生き方を学び続けること、その為の自分の学びの場を作ることが第一歩だと考え、「まなびと」を立ち上げた。
ーーーそもそもKiPに入居されるきっかけは何だったのでしょうか?
KiPの存在を知ったのは実はかなり前の、サンパルにKiPができる前のタイミングでした。NPO法人コミュニティリンクのメンバーとして明主さん(旧スタッフ)がKiPで働くと聞いたんです。
当時うちの事務所は王子公園に一軒家を借りてたんですが、そこに明主さんに住んでもらっていて、彼に鍵を借りに行く際、KiPに立ち寄ったことがあるんです。まだうちのNPOが学生ボランティアの受け入れを全然できてない時代にインターン生で入ってくれた人なんです。当時はKiPの会費を払えるほど儲けていなかったですし、ビジネスをしている人が利用する施設というイメージでした。
それからだいぶ後、神戸ソーシャルブリッジという神戸のNPO・地域団体と取り組むプロボノプロジェクトがあり、そこでKiP会員の菊池さん(フードピクト)と出会い、お話を重ねる中で、うちのNPO法人の理事になってもらいたくて、その相談でKiPに行ったんですよ。
ーー入居企業の方との交流はありますか?
元々僕がNPOを立ち上げた時に、時岡さん(株式会社ラシサ)がちょうど中間支援のNPOで働いていらして、同い年ということもあって仲良くなった経緯があります。時岡さんから翻訳の依頼を受けたことがありますね。あとプライベートな話ですが結婚の相談もしたことがあります(笑)
五十嵐さん(株式会社With the World)も最初は菊池さん主催の飲み会で、教育関係者つながりとして隣同士になっていろいろお話して、その一ヶ月後にアメックスの研修でもお会いして、距離が縮まった感じですね。
ーーーつながりのある方が多いですね。KiPで参加して良かったイベントはありますか?
株式会社エンパブリックの広石さんがゲストに来られたイベントに参加できたのが良かったです。社会起業家の先輩の話を聞く機会をもっと増やしていきたいですね。
ーーーイベント以外でのKiPで良かったことは何ですか?
KiPの会員の菊池さんと砂川さん(一般社団法人Code for Japan)にスタッフの横山さんと自分を含めた4人で「ソイラテ」という勉強会グループをつくって「ソーシャルインパクト」に知見をもつ社会起業家に会いに行くツアーを何度も開催したことが良かったです。
それぞれが話を聞きたい社会起業家をみんなで尋ねるので、普段なかなか会うことのない異業種の社会起業家に話が聞けたり、みんなのものの見方が違うから、自分が気づけてない視点や、逆に自分が当たり前だと思ってる視点を改めてほかのメンバーから意味付けしてもらえるところがあって勉強になりました。
東京とか鹿児島とか秋田や岩手などいろんなところに行きました。話を聞いた夜に、ホテルに戻ってみんなで反省会をするんですよ。みんなの感想から学ぶところがたくさんあって、自分の事業目的を整理する時間になりました。僕も学生さんから悩みを聞く機会が多いので、ソイラテのみんなで事業目的を整理したことが役に立っています。
ーーーいい仲間ですね。KiPの気に入っているところがあれば教えてください。
僕はあんまり1人でこもって仕事するタイプではなく、みんなが何かに取り組んでいる場所で仕事する方がスイッチが入るタイプなので、そうしたい時の避難場所みたいな形でこれからもKiPを利用できたらと思っています。
事務的なことや補助金について教えてもらえたりとか、情報交換ができるのもコロナ禍では助かりました。
それと、KiPの会員だからちょっと会えて、それが直接どうこうっていうわけじゃないんですけど、別の場所で会った時に「KiPでよくお会いする方ですよね」と言えるのがいいですね。逆にそれがないと自己紹介からはじめないといけないので、共通点を最初からつくれる場所として気に入っています。
取材・文/狩野哲也 撮影/横山宗助