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KiP・入居者インタビュー Vol.005 株式会社With the World 五十嵐 駿太さん
自社の成長のきっかけはすべてKiP発。相談できる先輩起業家がいるのも心強かった。
今回のKiP入居者インタビューは株式会社With the World代表の五十嵐 駿太さんです。同社のビジネスモデルは海外と国内の学校をオンラインで結び、社会課題の解決を目指す授業を提供することです。2020年からのコロナの影響により、海外渡航ができなくなったことで逆にオンラインによる60カ国350校とネットワークを構築しています。KiPがサンパルにあった2018年11月に入居し、一気に急成長した五十嵐さんたちのこれまでのプロセスについてお聞きしました。
五十嵐 駿太(いがらし・しゅんた)。大学卒業後、大手人材会社に入社し、6つの新規事業立上げに参画。その後、株式会社With The Worldを創業。日本と海外の教育機関(小・中・高・大学など)を繋いで授業を行っている。
ーーーKiPに入居されたきっかけは何だったんですか?
関東で生まれ育った自分が兵庫で起業した経緯をお話します。まず、新卒で大手人材会社に入社しました。1年間は東京で派遣営業をして、その後、私の希望で新規事業を学びたいと淡路島のほうでチャンスをもらいました。
2〜3年で合計6事業を担当し、経験を積んでから独立しました。生まれ故郷ではなく、兵庫で起業した理由は淡路島での生活にあります。淡路島で仕事をしていた頃が人生ではじめての関西での生活だったんですが、みなさんが温かすぎて、困っている人がいれば手を差し伸べてくれる文化があると実感していたのもあり、兵庫県で起業を決めました。
ただ、最初はひとりで起業したのもあり、自宅で仕事するのは孤独なので、近くのスターバックスコーヒーで朝から晩まで働いていました。完全に偏見ですが、ちょっとコワーキングスペースは高いイメージがあったんです。
でも大津さん(株式会社Compass)や菊池さん(株式会社フードピクト)、川原さん(株式会社KURASERU)が登壇されたイベントに参加したときに、サンパル時代のKiPを知って会員になりました。月に5000円ぐらいの会費なら、スタバでコーヒーを毎日飲むより安いです。なんで早く調べなかったんだろうと後悔しました(笑)
ーーー入居してみてどうでしたか?
入居後にKiPで知ったHYOGOクリエイティブ起業創出コンテストに参加したのが、自社が軌道に乗るチャンスを掴んだ瞬間でした。ファイナリストに選ばれたことが、僕自身すごくびっくりで、自信につながりました。コンテスト以降にいろんなお客様を紹介いただけるようになり、ネットワークがどんどん広がりました。
ファイナリスト10組の中から5組だけ助成金がもらえるんですが、トップ5に入れなかったんです。今思えばその経験が良かったです。その後、2年越しの2020年の同コンテストではちょうどコロナ禍真っ只中で賞金が加算され、グランプリに選ばれたことで助成金500万円をいただくことができました。審査員の方に2年前よりも格段に成長していると言っていただけたのがうれしかったですね。
それだけでなく、KiPにいたおかげでスタッフのみなさんから「兵庫県にこういう補助金があるよ」とか「こういう取り組みがあるよ」と教えていただいたのも創業期の資金不足を補う助けとなりました。
自治体関係の方にもつないでいただいたり、メディア取材につながったケースもたくさんありました。僕は結構シャイな性格で、自ら起業家の方に話しかけたりとかはできないんですけど「この起業家さんはここまで成長しているよ」とスタッフの方から紹介してもらえるので、そこでつながるきっかけになって、入居されている起業家さんに相談したりとかもできています。
ーーーどなたにどんな相談をされるんですか?
ジョイントクルーの竹内さんは兄貴的な存在ですね(笑) 社員がたくさんおられて、売上も高く、いろんな経験もされているので、組織づくりの悩みを聞いてもらったりしています。経営者としての悩みを打ち明けられる存在として竹内さんに相談できたのは、メンタル的に助かりました。
ーーー近くに兄貴的な存在の人がいるのは心強いですね。
KiPスタッフの中西さんの存在も非常に大きく、いま弊社の仕組みを公立の学校に導入することができているんですが、そのきっかけをつくってくださったのも全部中西さんのおかげなんです。
サンパル時代は毎日何件もテレアポしていたんですが、公立の学校へのサービス導入が呼び水となって、仕事が広がっていると思います。
ーーー当時は滑舌よく「With the Worldの五十嵐です!」という声がフロアに響き渡っていましたね。
今は個室には入ることができて良かったなと思います(笑)
ーーーコロナの影響はあったのでしょうか。
そうですね、起業当初はWi-Fiそのものが設置されていない学校が多かったのですが、コロナ禍になってからWi-Fiを導入した学校が多くなり、タブレットとWi-Fiなどの環境が整ったことや、オンライン通話が世の中の普通になってきたことで導入実績が増えていきました。
ーーーKiPの気に入っている場所はありますか?
コワーキングスペース内のミーティングルームの一室「シリーズC」の部屋が好きです。オンラインコンテストで優勝したときの部屋なので、ゲン担ぎで毎回シリーズCの部屋を予約するようにしています。
ーーー五十嵐さんは結構コンシェルジュと話しているイメージがありますね。
ずっとミーティングが続くと、顔を見て話す時間がぜんぜんないので、癒やしの時間をいただいています(笑)。
ーーーKiPのオススメポイントは?
KiPに入るとそれぞれがそれぞれのバックグランドで一生懸命に生き残るために仕事をしている起業家さんの姿を見れるので、「自分もがんばらなきゃ」と思えるのは非常に良かったなと思っています。「仲間にならなきゃ」というわけではなく、ポジティブな環境というか、熱しかない環境にいるだけでモチベーションが違いますよ。
取材・文/狩野哲也 撮影/横山宗助