NEWS
お知らせ

KiP・OBインタビュー Vol.004 株式会社KURASERU 川原 大樹さん

KiPでコーディネーターのアドバイスを無料で受けられて助かった。


今回のKiP・OBインタビューは株式会社KURASERU代表取締役の川原 大樹さんです。サンパル(KiP旧施設)時代といわれるKiP創設時に入居し、2018年7月に卒業。その後、六甲アイランドの神戸ファッションマートに移転し、現在は三宮駅近くにも拠点を構え、活動されています。2021年1月には前澤ファンドから資金調達を実施するなど、勢いに乗る川原さんにKiPの思い出をお聞きしました。

川原 大樹(かわはら・だいき)1987年兵庫県生まれ。神戸流通科学大学卒業後、介護職・医療ソーシャルワーカーとして7年間、現場勤務を経験し、医療介護の連携に問題を抱き起業を決意。2017年、株式会社KURASERUを創業し、代表取締役CEOに就任。

ーーーKiPに入居されるまでにどんな経緯があったんですか?

18歳くらいから起業しようと思っていました。大学卒業後にはワーキングホリデーでオーストラリアに一年くらい行っていて、英語の勉強をしながら見聞を広めていました。

帰国してからは「一番困っている介護業界で力を発揮したい!」と思って、介護施設で働きました。

その後、医療介護の世界は介護施設、病院、在宅介護の3つあるので、次は医療だと思い、病院で医療ソーシャルワーカーとして働きました。

それで、介護施設と病院で働いたので、あとは在宅だと思って、在宅サービスを立ち上げました。それが28歳の時です。

これまで医療介護業界の全て介護施設と病院と在宅と見てきた中で、患者さんの退院後の介護施設のマッチングが全然できてないことに気がつきました。

退院後に介護施設に入所を希望する患者さんのために、病院の医療ソーシャルワーカーは電話やFAXで介護施設に一軒一軒空き状況を問い合わせしないといけないのです。介護施設のケアマネージャーは入所者を求めて、日々病院に足を運んでいます。

入所先を求める患者さんがいて、介護施設には空きがあるのに入所できていないという現実が存在する。そんなミスマッチングをIT化するために、大学時代の友人である平山流石と一緒に立ち上げたのが介護施設マッチングサービス「KURASERU」でした。

医療ソーシャルワーカーは患者さんの希望や情報を入力するだけで、条件に合う介護施設が検索できて、介護施設側は自社のサービス内容や空床状況を登録しておけば、複数の病院から退院予定者の情報を入手することができ、機会損失を減らせる。さらに患者さんや家族にとっては、精神的・肉体的な負担軽減になる。三者が満足できる事業モデルになっています。

ーーーKiPへの入居の決め手は何だったんですか?

KURASERUを2017年10月に立ち上げたのですが、KiPも同月に立ち上がると聞いて「今日ここで決断したら1番になります?」と確認して、即決しました。1番って気持ちいいじゃないですか。

ーーー入居後の変化はどうでしたか?

その年の12月に「KOBE Global Startup Gateway 5th Batch」にも採択され、よりKiP運営者のコミュニティリンクとの関係が深くなりました。

当時、まだサンパルにあったKiPの卓球台でコーディネーターの山下哲也さんにプレゼンのやり方を教えてもらってその後、今でも忘れないですけどKOBE Global Startup Gatewayでプレゼンを聞いた山下さんが「投資したい」と言ってくれたことがうれしかったです。ピッチがうまくいかない時期もあったのですが、初めて力を貸したいと思わせるピッチができたことがうれしくて。本当に投資していただきました。

ーーーそうだったんですね。

KiPの良いところはそんなふうに山下さんとか、デザイナーの方など、外部コーディネーターの方のアドバイスを無料で受けれるところですね。

ーーーKiPに入居して良かったところはどんなところですか?

やっぱり家賃が安いのがいいですね。スタートアップは売上なんてしばらくないから、めちゃくちゃ助かりますね。

あとは起業家コミュニティがあるところ。フードピクトの菊池さんたちとご一緒できたことですね。僕がKiPで使っていた椅子を菊池さんが継承して、菊池さんがKiPを出るときには五十嵐さん(With The World)に継承されたようです。

KiPを卒業してからも、KiP入居者が相談に来てくれたり、当時知り合った起業家たちとは関係は、今でも続いています。菊池さんのご飯会にはなぜかアイスを届ける役になっています(笑)

取材・文/狩野哲也 撮影/横山宗助